闇練場へ向かう道々、頬に冷たいモノを感じた。
夜、雨になると言っていたような、いないような。
大丈夫。気のせい。
と、自分に言い聞かせる。
闇練してる傍に桜の木があるが、この桜も咲いていた。
この桜をこの闇練場所で見るのは何回目になるのだろう。
滑り出す。
数本滑って、すぐに体が暖まる。
いい季節だ。
基礎練、その後ルーチン練。
空が光る。
音は聞こえないが雷のようだ。
雷に春と言う漢字を付けて、春雷、シュンライと読むだけでイメージか変わるのは不思議なことだな。
などと考えつつ。
どうもスピンに乗り損ねてる。
足首の力の入れ方を考えないと。
結局、雨に降られることなく家に帰った。