ひと月ぶりの本社。
子会社、
実際には活動していない名目だけの会社だけど、
その会社の技術顧問としての、
月1回の会議。
この間川口のスキップシティに見学に行った際の、
面白そうなネタを紹介する。
川口市は鋳物の街だと言う。
その鋳物を作る際に、
産業廃棄物として出て来るのが、
砂。
この砂を基にして、何か商品開発が出来ないか。
そう言う観点でゼオライトを開発した会社が展示をしていた。
そのネタを紹介する。
話としても面白そうなのだが、
何よりも気に入ったのは、
どーも化学屋が話に加わっていないこと。
ゼオライトと聞けば。
それ自体の物性も面白そうなのだが、
化学反応の触媒としてもずいぶん使われている。
そう言う部分が全然無かった。
で、そう言う話を会議でして来た。
結果は上々である。
親会社の営業の方へプリントを持って帰ってくれた。
親会社に持ってっちゃったか。
子会社、つまり俺が技術顧問務める方で取扱いたかった気もするが。
これがどういう風に発展していくのか、いや、いかないのか。
ちょっと興味が有ったのは本音だ。
子会社の方の話は、
産学協同でお金出さない?
って話が進んでた。
正直、気に入らなかった。
大学に金出してもなー、と言う感じ。
リスクは少い。
けど利益はもっと少いだろうなーって。
そのゼオライトの話は、今実際に困ってる企業から出て来た話。
企業ったって、ほとんどが町工場レベルの集合体なのだが。
彼らは本気だ。
だって上手く行かなければ、
明日飯が食えなくなるのだから。
大学の連中は?
何とか食って行くよ。
だって学生からお金取ってるじゃない。
それだけで研究費が出るわけ無い、
ってことは充分知っているのだが。
やはり一緒にやるならば、本気な連中と仕事したい。
何よりも、世間と隔絶して生きて来た、
大学の連中と付き合うのは何か面倒臭い。
まー、俺の手は離れちゃったんだけどさ。
またそう言うのを探して来るか。
最近、本職の研究開発の方。
こっちも形になるかどうか判んないけど、
それ取り敢えずやってみよう、
どーん、
てな仕事を受け持つことが多くなった。
実は悪くない。
納期も規格もなーんにも決まっていないし、
明日潰れても不思議じゃない仕事ばかり。
にも関わらず、だ。
逆に自分の力がもの凄い要求されて来る。
だから、やりがいはもの凄い有る。
とか、考えていたんだが。
どんどん山師になって行く俺、
に気付いた。
そう言うキャラだったっけ?
でも、悪くないよ。
少くとも、楽しんでるから。