昨日。
王子でアジサイが咲いているのに気付いた。
時計は夕方を示していたが、夏の日はまだまだ高い時間。
王子まで見に行った。
場所は王子駅と飛鳥山の間にある狭い遊歩道だった。
夕暮れはまだまだ。
日差しが暑い。
が、その小道はひんやりとしていた。
見上げれば青空。
まだセミが鳴く時期ではないせいか、時おり通る電車の轟音以外は、実に静かなところだった。
アジサイはもう終わりの時期なのかも知らない。
しかし道を塞ぐように大振りの花が咲いていた。
小路を進み、前後にアジサイが張り出したところで、ふと懐かしい気持ちを覚えた。
こういう夏の日、見知らぬ道を進んでいた日があったような気がする。
なんとも居心地の良い場所。
こんな場所が通勤の道々にあったなんて。