チリチリした心の理由

大学の研究室時代の後輩に久々にメール。
色々と、その後の話を聞く。
色々って言うか。
後輩達の多くが今年結婚するんだよ、って話だったんだが。
一組は助手さんと(元)学生さん。
もう一組は(元)学生さん同士、先輩後輩関係だった二人。
おめでたいな、と思いつつ。
うーん。
大学の研究室、特に化学系では徒弟制で卒業研究生、大学4年生の面倒を大学院生が見る、
と言うパターンが多い。
卒業研究は一年間で終るわけだが、その間先輩として苦楽を共にする。
そこで人間関係終らせないで、ずっと続けていたんだ。
うらやましくないって言えば嘘になるかな。
あー。
でもなぁ。
当然結婚式には教授呼ばなきゃ行けないわけだ。
いや、呼ぶか、普通は。
単に俺が教授と仲悪かっただけのこと。
仲悪かったって言うか。
好きじゃなかったって言うか。
卒業して随分経つ。
一度だけ就職してから会いに行ったけど。
部長さんと、同じ大学出身の先輩と一緒に。
その頃にはすっかり大人としてのたしなみが身についていたな。
話し合わせて、あははと笑って。
ただ、早く帰りたかった。
あそこに俺の居場所は、あったんだろうか。
教授を頂点に掲げた村組織。
いや、そんなふうに書くのは間違いだろう。
ただ俺だけが浮いていたのだから。
目的は果たした。
そして、空っぽだった。どうでも良かった。
今日、中途採用の面接。
部長さんの机の上に置かれた履歴書。
同い年の人が一人。
おお、見事な経歴だ。
科学技術振興財団での研究、その後、共同研究で数年。
任期切れに伴っての就職活動。
春の学会発表を経歴として書くのはどうかとは思うが。
何かチリチリする。
俺はそんな生き方がしたかったんじゃない?
研究者でありたかったんじゃないのか。
研究者?
研究なら今だってしてるだろう。
製品開発のための研究。
ただ、何か違うんだけどな。
論文書いたりしたいのか?
冗談。
そんな面倒なことしたくないよ。
ただ、遠い目標に向かってガムシャラであった頃の自分がちょっと懐かしい。
今そうじゃないのか?
あー。
あー。
忘れてたよ。
今の俺と当時の俺では目的が違う。目標が違う。
そしてやるべき事も違う。
今だって結構必死じゃん。
なんだ。
ただ、今、居心地の良い世界にいる。
そういうこと。
行為そのものを楽しんでいる。
あ?俺の目標?
うーん、取りあえず幸せな家庭を作ること。
まずその前に相手探しからだけどな。

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