夏目漱石、“門”読了

ストンと突き放されて終わった感じ。
最後の一文が、解説読まなくては判らず。
解説込みで、読んだな、と言う感じ。

中途半端な小説である印象は否めないな。

さて、では“こころ”に取り掛かろうとは、もうちょっと覚悟がいるが。

あら筋は、かつて大学時代に親友の彼女、と言うより将来を約束した女性を奪った主人公。
その彼女と結婚して、もはや若くはないこともあるが、彩りに欠ける淡々とした生活。
淡々と、と言うより息を潜めるような生活を送っていた情景の描写が続いたところで、緩やかな環境の変化があった後、突然、かつての親友と出会う機会が生ずるが、その場に立ち会うことはなく。
考えながら禅寺の門を叩き、非日常の中で過ごしても、その考えに何ら変わることはなく。
また淡々とした生活に戻って終わる。

実際、日常にカタルシスはないのかもしれない。

ただそれでも、何ものかでありたいと、何かが欲しいと、欲を抱えその解消のために日々を送ってるのが自分だ。
しかし、この小説の主人公はそういう欲を諦めている。

それはかつて略奪して得た奥さんがいる、二人でいることで世界が完結している、閉じた輪の中で生きていける、と言うためなのだが。

不満さえもその閉じた輪の中から出ることが無いことに、息苦しさは感じた。

夏目漱石ってこんなだったっけ?
久しぶりではあったが。

さて次は、月と6ペンス。
これも20年ぶりかな。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です