韃靼疾風録より引用

“さらには、この街のひとびとにとっては、深刻な宗教も哲学も必要がないのに相違ない。人間はなぜ生きているのかなどという天竺の聖者や哲人が考え込んた課題は、安直な居酒屋でほのかに酩酊したり、芝居小屋に入って役者たちが演ずる夢幻の世界に感情を魅き入れられたりすることで、人の世の第一義の苦は煙のように消えてしまうばかりか、そういうことを論ずる手合までが野暮に見えてしまうに相違ない。”

何その真理…
さすが、司馬遼太郎。

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