流れ星

闇練帰りに視界の隅に一瞬。
気付いたときにはもう何もない。
たぶん流れ星。
願い事を考えておけば良かったか。
えーと。
とりあえず無難に幸せください、ってところか。
そもそも俺の幸せって何なんだろ。
あー、彼女欲しいってやつか。
こうも長く一人で生きてると、余りに実感に欠けることだがな。
それでは世界平和あたりで、一つ、よろしく。

昼間、あちこち歩き回って多少げんなりしていた土曜日。
迷って、いつもより遅い時間になったけど。
闇へ。
昼間の熱気はまだ残っていた。
しばらくぶりの闇練場。
時間も遅いし、さっさと帰ろう、とは思っていたのに滑り出したらどうでも良くなった。
ウィールはぼちぼち交換時期。
だいぶ磨耗してきてるのに、気持ちよくダッシュできた。
しばらく滑ってなかったせいか、やはりビビりが出る、苦手面のジャンプしてのトランジッション。
高く飛べばその分、体をさばくのに余裕ができる。
意識して動作のタイミングを合わせる。
コンビネーション練は、大蛇、飛燕、鬼足、哀愁。
鬼足やってる頃に左の太股の筋肉が終わり始めた。
いつも通りのメニューなのに。
練習してなければ体は衰えるか。
ルーチン練は1セット流したのみ。
左足が動き鈍い。
転んでしまってやばいと思いそれ以上は止めた。
でもやっぱり、体動かすのは楽しいもんだ。

宇多田ヒカルの

Kiss&CryのPVを見てて。
これが
フリーダムプロジェクト

の映像使っているんだと、眺めていて。
ふと思う。
少年が閉鎖された、コントロールされた環境から飛び出していく。
俺はもう、それを引き留める側の人間なんだよな、と。
飛び出せる無謀さは、若い連中の特権か。
などと。
じゃぁ昔の、若い頃なら飛び出したかといえば。
俺は留まっただろうな。
っていうか留まってきたから、今に至るって感じか。
ふんばって留まることしか知らなかったからな。
飛び出すことは、なんか逃げるような気がして。
などと、マジ考え込んでしまった初秋の夜。
早く寝ろ、俺。
時計は巻き戻らんよ。