本気です、かぁ

闇練していたときのことである。
二人の男が近よって来た。
ヤバいかなって思ったのだが、“スイマセーン“と声を掛けて来た。
見ればちょっと悪っぽい感じの雰囲気。
一人は上下ジャージだったし。
”この辺でスケボーやってるヤツ知ってます?”
あそことここでやってるよ、と言うと、
実は、ジャンプ台とレールを持ってかれちゃったんだと言う。
”俺たち本気でスケボーやってて、
金出して作ったのに、持ってかれちゃってて探してるんですよ”
ちゃんと話してくれたので、
ちょっと好感を持った。
で一緒に公園内を歩いて見て、
探しとくよ、と伝えて別れた。
本気でやってる、か。
ちょっと厳しい言葉だな。
人を納得させるには。
18歳だと言う。
あちこちのイベントにも出ている。人と競うのが楽しいんだ、と。
何だ、ほんとにちゃんとやってるんだ。
普段どこでやってるの、と聞くと、そこの路地裏だと言う。
本気でやっている、か。
何が、”本気”なのだろう。
それが一番難しい。
たとえば、
本名ではない、滑べり止めの大学に受検、
合格して、余り楽しくないけど、大学生やってる18歳。
別にやりたかったわけじゃないけど、
それなりに単位取って、
理系だったのでそれなりの専門知識持って、将来的に専門職に就いた。
そう言う人間は世間に認められるんだろうな。
でも本気でやってたわけじゃない。
なんとなく。
成り行きで。
違うな。
認められるとか認められないとか、
そう言うことはどうでも良いんだろうな。
当人に取っては。
が、18歳。
周囲は放っておいてくれないだろう。
”本気でやってます”、は周囲を納得させられるか。
他のメジャースポーツならともかく。
野球、サッカー、テニス、何でも良い。
世間でテレビ中継されるようなスポーツだったら。
ほんの少し話しただけなんだけど、
ちょっと好意を感じて、
ちょっと淋しくなった。
頑張れー。おじさんは応援しているぞー。