一昨日の事である。
恵那からの帰り、名古屋駅から新幹線に乗ったのは7時40分くらいのこと。
その時間ですでに、小田原〜熱海間で大雨のため下りは一部運休、上り東京駅行きは遅延していた。
新幹線に乗るまでの数分で駅弁とお菓子、お茶を慌てて買い、自由席の列に並んだ。
数分遅れて、のぞみが入ってきて、幸い自由席に座る事が出来た。
それ程満員と言うわけでもなかったが。
新幹線に乗る頃に、充電を忘れていた携帯電話はバッテリーが無くなってしまっていた。
席に着き、駅弁を食べ、お菓子食べ、空腹感を解消したらサクッと寝落ちしていた。
一時間も経たないうちに新幹線が途中停車した。
アナウンスが流れる。
大雨のため遅延していると。
そのまましばらく新幹線は動かない。
次のアナウンスで、東京到着がどうしても乗り換えの終電に間に合わない事が判明した。
途端に社内がざわめき始める。
携帯で、予定に間に合わないこと、この後どうなるか判らない事、そして不満を訴えていた。
新幹線は動かず時間が過ぎる。
退屈した子供が騒ごうとする度、なだめていたお母さんが、無言で手を挙げるようになった。
また別の親子は、親の方が寝入ってしまい、子供は通路を行き来し始めていた。
トイレに行こうとした人が煩わしい目で、通路の子供を膝で押し退けていた。
車内のストレスが上がって来ているのを感じた。
皆が息を詰めている感じ。
車掌さんが足早に通り過ぎようとして、たちまち取り囲まれていた。
車内であれこれ話をしたところで、どうにかなるものではないだろう。
が、何かしないでいることには、そうそう耐えられたものではない。
やがて新幹線は動き出した。
途端に空気が緩和する。
しかし浜松駅まで来ると再び電車は停止してしまった。
しばらくは動く見込みがないとアナウンスされる。
ホームには入っているのに開かない扉。
再び緊張感が高まるかと思いきや、比較的静かなままだった。
どうやら、疲労感を覚えたのか、あるいは諦めたのか。
その頃、俺はと言えば、手持ちのPDAで先日の大会のレポートを起こしつつ、ウォークマンを聴いていた。
うーん、Zaurus最強。
それはさておき。
すでに考えはこの後どうするかを考えていたのだが。
翌日、会社には行く事だけは腹を決めていた。
ダメなら午後半休で、夏休み半日潰す、と。
その後、何度か動いたり、止まったりしつつ、東京駅に新幹線が入ったのは午前2時半のこと。
車内で、東京駅で新幹線を仮眠所代わりに提供する事はアナウンスされていた。
実際、仮眠所代わりの車両は反対側のホームに止まっていたのだが。
先に席に着いた人が非常にきつい表情でいるのが車窓越しに目に入り、結局使わなかった。
込み合う改札を抜けて、一度は八重洲口側に外に出た。
マンガ喫茶を探そう、とは考えていたのだが。
外に出て、雨が降る中、タクシーに長蛇の列が出来ているのを見た。
荷物が重いこともあり、もう一度、駅構内に戻る。
冷たい乾いた大理石に尻を降ろし、壁に寄りかかる。
自分が自分で無くなるような気がした。
しばらくはそうしていたが、この姿勢、どんどんメンタル的に凹んでくる。
地面に座るのは、柔軟体操とインラインスケートに履き代えるときだけ、それも乾いたアスファルトの上と決まっている。
3時半になり、自動改札が開いた。
たまらずに中に入る。
京浜東北線が動くまでまだ1時間ちょいあった。
ホームで缶ジュースを買い、一息付く。
そういえば夕飯の時のお茶以来、何も口にしていなかった。
荷物を持ったまま、トイレに行き、まだ時間があったので階段に腰を下ろす。
階段は感覚的に許せるらしい。
不思議なものだ。
で、再びZaurus最強、と時間を潰す。
ガラの悪そうな、あまりお近づきになりたくない若者が騒いでいた。
現実感に欠ける雰囲気。
狂気すら感じたのは徹夜明けの繰状態なのだろうか。
ホームに戻ったのは、始発が動く5分前くらい。
人が溢れていた。
始発電車がホームに入ってきて、同じように大きな荷物を持った人達と乗り込んだ。
家に着いたのは5時半過ぎ。
洗濯物だけ洗濯機に放り込み、ベットに横になった。
およそ1時間寝て、仕事に行った。
結局、夏休みは取らず、夕方まで過ごした。
朝帰りな俺
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