先日、およそ一年間飲み続けた抗生物質の服用が終了した。
話は一年以上前、震災前の出来事となる。
健康診断で肺に影が見つかった。
以前から細かい影があり、これはなんだと言う問いかけに至ることはあったが、要観察扱いで特別どうこうとなることはなかった。
しかし一年前のその時は、見過ごし予後観察にしてくれなかった。
肺に影、すなわち肺癌か結核か。
その後数度の精密検査、そして肺の内視鏡検査により、結果的には肺に非結核性抗酸菌マイコ・バクテリウム・カンサシがいると言うことが判明した。
この非結核性抗酸菌とやら。
基本的には他人に感染しない。
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000266.html
治療しなくても20年くらいは生きられそう。
そして自分の場合、まだ自覚症状はほとんど無かった。
しかしこの、肺癌か結核かと病名が定義される前、肺の内視鏡検査のために一時タバコを止めさせられたことで、タバコをスパッと止めることが出来た。
その際のニコチンの脱離症状の不快感から二度と吸わなくて良い、と思ったのと、やはり命は惜しかった。
いや、自分の死は考えなかったけど。
肺を一部あるいは半分失うと言うイメージ、そして二度と全力で走れなくなると考えた時、タバコを続けようと言う気持ちは無くなった。
喫煙の快感のために、全力で体を動かせる喜びは代えられないよ。
それから一年。
時々忘れたことはあったけど、ずっと毎朝、食事前にそれなりに大量の薬を飲んできた。
それが終わった。
菌が死滅したかどうかは、判らない。
その検査はやっていないから。
死菌でもDNAの痕跡は残るので、生菌のサンプリングと培養となり、そもそも検査は大変らしい。
前回検査も、結果が確定したのは2ヵ月後だった。
一年ぶりのCT検査では肺の影は縮小していた。
それでも、ちょっと影はあるのだけどね。
薬の飲み始めには抗生物質の効果で胃痛が生じたり、体重が増えたり大変だった。
しかしいつの間にか慣れて、飲んでいる状態が普通になっていた。
大したものだよ、人体。
それも終わり。
これまで、理性としては自身は健康だと言う認識もあった。
しかし実際には定期的に病院に行き、毎日薬を飲む生活は、習慣として理解しながらも、どこか違和感のあるものだった。
それも終わった。
やれやれ、かな?
さすがに、健康、と言うものと向き合う一年だったよ。
そう自分の価値観は変わって無いけどね。
でももう、タバコは良いかな。
投薬終了
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