武器よ去らば

読了。

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先にキリマンジャロの雪は読んでいた。
久しぶり、20数年ぶりにヘミングウェイを読んでいる。

今年2月に引っ越した際に、押し入れの奥から出て来た、昔読んだヘミングウェイ。
前回読んだのは、高校生か大学に入った頃のことだった。

当時、どうしてヘミングウェイを読み始めたか覚えていないが、まあ、高校時代に明治・大正の日本の小説家の作品を読んでいて、その後、古典も含めた海外文学に行っていたような。

さて、20数年ぶりのヘミングウェイは、なかなかページが進まなかった。
翻訳した文体、それもヘミングウェイのように、ギリギリまでセンテンスを刻むような文体を日本語にするのは大変なのだろう。

文体の読み取りにくさから、人物描写の理解が難しく。
登場人物への心理投影が難しかった。

なんでそういう発言する?って、いう感じ。
ウィットではなく、唐突に悲観的な発言に至る。
その心の動きが理解し難い。

そんな感じ。

が、それは主人公達が、戦時中ながらまだまだ攻勢であり、砲撃のあるところから遠く離れていた場所では平和ですらあった情景もあるのだろう。

そこでヒロインと出会い、恋愛ではなくちょっとした遊び感覚で接していたから、なのだろう。

そこから、被弾して病院に入院して、看病受けて、やがて恋愛関係になって。
ここでもまだ、女性の方の描写には違和感を覚える。

再び別れて、前線に戻って戦況が悪化してからの敗走。
ここからはもう、圧巻。

ギリギリのメンタル。

そこから再会。
この辺からはもうなりふり構わない姿勢に共感していた。

その後の幸せな光景。
もうハッピーエンドだと思っていたら、すとんと絶望。

ロスト・ジェネレーションとは良く言ったものだ。

一冊読むのにずいぶん手間取ってしまったのは、その前半の取っ付き難さのせい。
アメリカ人の志願兵という立場と当時の戦争の状態は重要な背景だが、特に説明がなかった。

中盤から描写の緻密さ、緊迫感が強くなって読む速度は加速していた。
さすが、ヘミングウェイ。

ラストが胸に突き刺さった。

さて次は、陽はまた昇る。
こちらの方が先に書かれたのだっけ。
以前も読んだがすっかり内容忘れたな。